IT業界はクレーム産業の一つ

よく、「住宅業界はクレーム産業」と言われますが、IT業界こそ、クレーム産業ではないでしょうか。
トラブルに負けない運用管理と障害対応とは
ハウスメーカーは、図面やモデルハウスを活用し、顧客のニーズを具体的に確認するところから仕事を始めます。そして、売買契約を締結して、契約にもとづいて家を建設します。

しかし、実際に住んでみなければわからない点も多く、入居した後の問い合わせやクレームが多いのが特徴です。住宅業界は「クレーム産業」とも言われ、引渡し後の顧客サービスに非常に力を入れています。

私の場合も、色々とありました。たとえば、フローリングのタイルに隙間がある、壁紙がずれているなど、実際、住んでからわかることが多いものです。そんなとき、ハウスメーカーに連絡し対応してもらうのですが、ラッキーなのか不愉快な思いをしたことがありません。

住宅の建設は、押入れやユニットバス、トイレにいたるまで、さまざまな部分がユニット化されていて、分業化が進んでいます。だから、何かあったとき、契約の元請であるハウスメーカーの対応力が非常に問われます。

システム開発においても同様のことが言えます。システムは、ハードウェアやソフトウェアパッケージ、ネットワーク、手作りするアプリケーションなどから構成される複合体となっており、最終的なシステムサービスの全容は、提供直前まで見えにくくなっています。

システム開発そのものは1年程度で完了するケースが多くなっていますが、ユーザーはそれから数年かけて運用していかなくてはなりません。業務の変化に合わせてシステムに手を入れていく必要もあり、十分なアフターサービスが要求されるのです。