未来に先回りできないからこそ、今を精一杯生きる

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡
iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス (アスキー新書 048)

池田信夫先生のサイトに、『スティーブ・ジョブズの「まぐれ当たり」』という記事。

1990年からのMac信者(自宅にMacが4台ある)としては、許せないと思った。

でも、ジョブズのあのスピーチに想いを馳せたとき、池田先生の言うことが納得できる。
まぐれであることは、ジョブズ自身も、スタンフォードでの有名なスピーチで認めているではないか。

未来に先回りして点と点を繋げて見ることはできない、君たちにできるのは過去を振り返って繋げることだけなんだ。だからこそバラバラの点であっても将来それが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない。自分の根性、運命、人生、カルマ…何でもいい、とにかく信じること。点と点が自分の歩んでいく道の途上のどこかで必ずひとつに繋がっていく、そう信じることで君たちは確信を持って己の心の赴くまま生きていくことができる。

そう、ジョブズ自身も、運命はどうしようもないことを認めている。大切なのは、その瞬間、瞬間を精一杯、生きること。それを彼は実践し、そして成功をおさめたのだ。振り返ってみれば、点と点がつながっていたことがわかる、ただそれだけなのだ。

ただの優秀な経営者ならば、「なぜ、成功できたのか」それを問われたとき、後づけでわかりやすく説明できるし、そうするだろう。でも、ジョブズは違う。

ちなみに、Fortune誌の「もっとも賞賛すべき企業」にアップルが選ばれても、コメントするのを拒否したそうだ。つまり、「なぜ、成功したのか」なんて、論理的に説明できないし、きっと、その必要性も感じていないのではないだろうか。