プレゼンで他人の印象をコントロールする方法

前回の記事『プレゼンであがらないための5つの思考法』では、緊張を避けるための積極的思考や自己暗示、開き直りなどの方法について紹介しました。実は、自己心理だけでなく、他人の印象をコントロールすることも大切なのです。

人は、初めて会う人を最初のイメージで評価しがちです。

考えてみれば、「外見よりも中身」と言いますが、初対面で中身がわかるはずもありません。聞き手に良いイメージを与えるためには、第一印象をいかにコントロールするかが大切です。

心理学では、これを「印象管理」と言い、他者から特定の印象を作り出すために自分自身を調整して表すことを「自己呈示(セルフ・プレゼンテーション)」と言います。

特に、初対面の相手に対するプレゼンでは、この自己呈示が重要です。

もし、社内で長期間いっしょに仕事をしている人が聞き手であれば、普段の仕事振りや性格などから好意的に評価してくれるかもしれません。しかし、社外で初対面ともなると、そう簡単にはいきません。1時間程度のプレゼンでは、プレゼンターのことをよく知ることもできないからです。

自己呈示の方法には、次があります。

・外見を整える
スーツを着込み、ネクタイを締めてフォーマルな格好をします。意外と見落としがちなのが、靴。汚れておらず痛んでないものを履くようにします。自分自身の気持ちの切り替えを図るためにも、いわゆる「勝負服」を一式、そろえておくと良いでしょう。

・笑顔で接する
こわばった顔をせず、少し微笑んで聞き手に好感度を与えましょう。笑顔は、相手に温かい、明るいといった印象を与えます。しかし、いざプレゼンともなると緊張しやすいものです。そんなときは、口を意識的に横に広げるだけでもOKです。少しでも歯がのぞけば相手には笑顔に見え、好感度を与えることにつながります。

・聞き手の期待値を高める
プレゼンのスタート時点で、関係するテーマで自分の実績などを簡単に紹介し、「この人の話は聞く価値があるな」と思わせます。そのことが聞き手の期待値を高め、本題に入りやすくなります。

・アイコンタクトをとる
つい緊張してしまうと、下ばかりを見て相手を直接、見なくなります。しかし、それでは相手に良い印象を与えることはできません。相手に対して、視線がわずらわしく感じられない程度にアイコンタクトをとるべきでしょう。


プレゼンを成功させるためには、プレゼンターそのものの演出が大切ということがおわかりでしょうか。少々演技するぐらいのつもりで取り組んでみてはいかがでしょうか。