1年たっても好調な『SEの文章術』

SEの文章術 (技評SE新書)発刊から1年以上たった『SEの文章術 (技評SE新書)』ですが、いまだに好調なようです。

Amazonの文章技術の分類で、10位以内に入ることもしばしば。恐れ多くも、『理科系の作文技術 (中公新書 (624))』や『「超」文章法 (中公新書)』、『伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)』などの良書をおさえているシーンもみかけます。

この本は、私が執筆を始めて以来、ずっと出したかった一冊です。それだけに、いつもにまして高いモチベーションで執筆活動に勤しみました。

また、文章術の本が読みにくくては洒落にならないので、必要以上に推敲を重ね、読みやすさを追求しました。

新書という紙面の制約はありますが、内容には自信があります。

参考までに、以下に目次をのせます。

第1章 なぜ文章力が必要なのか
 SEは文章作成が苦手
 文章には機能がある
 日本語は難しい
 システム開発は伝言ゲーム
 システム開発ではドキュメントが成功の鍵を握る


第2章 なぜ下手な文章ができるのか
 下手な文章とはなにか
 目的が存在しない
 読み手の視点がない
 論理的でない
 読みづらい


第3章 文章術の基本原則

一.文章の骨格 
 「起・承・転・結」の4部構成にまとめる
 「序論・本論・結論」の3部構成にまとめる
 「結論・理由」の2部構成にまとめる

二.納得させる論証 
 前提と結論
 隠れた前提
 演繹法
 帰納法
 具体例の提示
 比喩の活用
 反対意見への反論
 用語に敏感になる

三.心理的な作用 
 曖昧さの排除
 受動態よりも能動態
 否定形よりも肯定形

四.わかりやすい文章構造 
 一文一意
 箇条書きの規則

五.読みやすい表現 
 冗長性の排除
 表現の統一
 文章の見た目
 リズム感


第4章 ドキュメントの作成術

一.設計 
 設計図を描く
 ドキュメントの類型
 目的を決める
 読み手を設定する
 読み手のレベルに合わせる
 自己を振り返る

二.骨格と本文の作成 
 アウトラインを描く
 とりあえず書き始める
 目次先行型と本文先行型を組み合わせる
 自分に問いかける
 多角的に論理を展開する

三.チェックと見直し 
 推敲して整える
 画面よりも紙で確認する
 声に出し聞いて確かめる
 時間を置いてから読む
 ゼロベースで書き直すこともいとわない


第5章 ドキュメント別必須ポイント

一.提案書 
 5W1H3Cをおさえる
 結論から入って理由を示す

二.要件定義書 
 なぜ必要なのかを明記する
 曖昧さを排除する

三.技術調査報告書 
 読み手に合わせて書く
 多角的に反対意見に応える

四.トラブル報告書 
 原因を論理的に分析する
 相手の心理面に配慮する


第6章 文章力を向上するには

一.文章力の向上に近道はない 
 三多の法
 量をこなせば質へ転換する

二.本をたくさん読む 
 本を読むことは考えること
 批判的に本を読む
 豊富な語彙を身につける
 忙しいときほど本を読む

三.文章をたくさん書く 
 日記を書く
 書評を書く
 人の文章を添削する

四.論理的に考える 
 ディープシンキング
 コンセプチャルシンキング
 メタ思考
 思考フレームワークの活用

五.ツールを利用する 
 辞典を使う
 校正機能でチェックする
 手書きの効用

六.文章力向上のための必読書
 文章作法
 思考法
 読書法


第7章 ウェブライティングの作法

一.ウェブサイトの利用特性 
 つまみ読みされる
 検索エンジンからの利用
 ブログとRSSリーダーの普及

二.ウェブサイトの文章作法 
 タイトルに凝る
 冒頭で興味をひく
 読みやすく改行する
 漢字の配分を減らす
 重要なキーワードを繰り返す
 ユニバーサルデザインへの対応