セキュリティはなぜやぶられたのか

日経BPさんから献本いただいた、ブルース・シュナイアー 著『セキュリティはなぜやぶられたのか』の書評をリリース。

この本は、単なるITのセキュリティ侵害にとどまらず、テロや詐欺への対応についても触れている。「リスクと利便性のトレードオフをとれ」という強いメッセージが伝わってくる読み応えのある一冊だった。

ちなみに、この本のタイトルは、岡嶋 裕史著『セキュリティはなぜ破られるのか』と、タイトルがそっくりだ。岡嶋氏の本の方が先に出ているので、漢字をひらがなにして、現在形を過去形にしたということか。似たタイトルを探してみると、おもしろい組み合わせが見つかるのかもしれない。

『セキュリティはなぜやぶられたのか』の原題は、『Beyond Fear』。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』のヒット以来、読者の知的好奇心をそそる疑問形のタイトルが増えている。その流れを汲んだものだが、残念ながら、原題とかけ離れた邦題と言えるだろう。

たしかに邦題をつけるのに苦労をしそうな気はするが、もし付け直すならば、原題にやや忠実に『セキュリティの脅威を越えて』、副題『リスクとコストのトレードオフを探る』というのではいかがだろうか。