Amazon売上ランキングの軌跡

Amazon Rankでは、Amazonにおける売上ランキングの傾向を知ることができる。代表的著作の3冊を分析してみると、そのうち2冊は異なるテーマの書籍でありながら、同調していることがわかる。

『SEの文章術』と『ITアーキテクト x コンサルタント 未来を築くキャリアパスの歩き方』の2冊は、よく売れている。ためしに、『SEの文章術』が十分に書店にいきわたった頃から1ヶ月間をみてみる。

文章術とキャリア指南というようにテーマが異なるものの、その売上傾向は近似している。業界入門書である『IT業界がわかる』と比較してみれば、それは明白だ。

Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」で、一緒に購入されている形跡もなさそうだが、著者買いされているというのが理由の一つにあるだろう。また、読者層が近いということもあるのかもしれない。

これら書籍の読者ターゲットは、業界に入りたての若手SE。つまり、20代が中心である。6、7月というとそろそろ配属されて、自分の足りないスキルや今後のキャリアについて思索する時期でもある。だから、入門書がよく売れる。

彼らは総じて、勉強熱心で書籍をよく読むようだ。しかし、書籍を読むだけで、わかった気にならないでほしい。実務ですぐに使って、自己流として身につけることが大切だ。執筆者としてそれを願っている。