誇大自己感が強い人にビジネス書は売れる

沢尻エリカさんの問題となった舞台挨拶、その後の涙のインタビューを見た。この人は、誇大自己感が強い方ではないかと感じた。

「誇大自己」そのものは悪いことではない。自分が世界で一番と考える、悪く言えば、いわゆる自己中とも言えるが、一番でいつづけたいがために、常に努力を重ねるタイプが多い。自分はこんなレベルではない、これぐらいの演技でほめられたくない、まだ上を目指せるという気持ちが、あの舞台で無愛想な反応につながったのではないか。それはインタビューでの「自分の演技はほめられるレベルではない」という発言にも表れている。

ほめられれば誰でもうれしい。しかし、誇大自己感が強い人は、目指すレベルが高いがゆえに、手放しで賞賛に応えることができないのだ。

近頃のビジネス書は、誇大自己感が強い人向けに出されているものが多い。誇大自己感の強い人は、日々の仕事をこなしながらも、自分はこんなものではないと考え、自分の成長につながるビジネス書を次々に読み漁る。おおげさなタイトルがついている本ほど、こういった人たちの目を惹きやすい。だから、ビジネス書のかっこうのターゲットになる。

『ブランド人になれ!』』
『伝説の社員を目指せ!』

上記の2冊などは、全編にわたって、ポジティブなメッセージが溢れており、読めば間違いなく元気が出る。だが、読むだけですぐに行動しなければ、なにも変えることはできない。その結果、やはり誇大な自己に帰着してしまうのだ。